これまで、個人の出生ホロスコープチャートをさくっと簡単に読めるコツをお伝えしてきたこちらのシリーズ。
占星術の勉強その2、その3でチャート上の天体の半球の偏りやエレメントの偏り、太陽と月の星座とハウスを読む!という段階まで解説し、
さぁいよいよ星同士の特定の角度での関わり、アスペクトの説明に入ろう!
と思ったのですが・・・。
いや。その前に基本的な占星術の仕組みを解説しなければ、アスペクトの話がまとまらねえぞ。汗
という壁にぶち当たりました。行き当たりばったりな連載記事で大変申し訳ありません。涙
そもそも1番最初に説明しておくべきだった、占星術の仕組みについて、イラスト付きでわかりやすく簡単に説明します。
このブログを読んでくださっている方は、元々星の知識がある人が多いので「そんなん分かっとるわい!」って思われるかもしれませんが。
一応「初心者でもサクッと自分の言葉で星が読めるようになる!」がこの連載のテーマなもので。
初心者でも上級者でも楽しんでもらえる記事だと思うのでどなた様もお付き合いくださいませ。
それではさっそく、イラストで理解する占星術の仕組みを解説していきますよー!
占星術とはいったい何?どうやって占うの?
超基本中の基本であり根本的な質問。
そもそも占星術ってなに?
って話なのですが。(あ、哲学的アプローチで深い意味を説くわけではないので悪しからず)
占星術は、占いたい瞬間の場所から見上げた宇宙(そら)を切り取り、その星の配置や関わり合いによって意味や影響を読みとく術。
英語ではastrology(アストロロジー)と書きますが、これはAstro=星と、Logy=言語・論理が組み合わさったもの。
つまりアストロロジーは「星の言葉」という意味なんですね。
星の言葉を翻訳して伝える技術。それが占星術なのです。
ホロスコープチャートの仕組みは?どうやって読むの?
星の言葉を翻訳するにあたり、占いたい瞬間の宇宙(そら)を切り取った図、それがホロスコープチャート↓
ちなみにこちらは、アメリカの女性ミュージシャンであるケイティー・ペリーさんが生まれた瞬間のそらを切り取ったホロスコープチャートです。
このチャートを読み解くことで、ケイティー・ペリーさんがどんな人物で、どのような性質で、どんな人生の目的や潜在的な欲求があって、どうしたら自分らしい道を切り開いていけるのか?みたいな事を読み取っていく事ができるんですね。
ホロスコープチャートの仕組みはこんな感じ↓
何やらゴチャゴチャ書き込んじゃってますが。
◯オレンジ色で示した10個のマーク(シンボル)。これらは占星術で扱う基本的な星(天体)達。
月・水星・金星・太陽・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星の10個。
他にも突き詰めると小惑星や月の軌道と太陽の軌道の交わる点など読めるポイントは増えてくるんだけど、範囲を広げ過ぎると逆に分かりづらくなるので、まずはこの10個の星を読んでおけばOK。(これらの星の影響は他の小惑星の影響より格段に大きいのです。)
◯ピンク色で示した、円の外側を囲む12星座(サイン)。これは実際にお空に浮かんでる星座の位置とはあまり関係がなく、ホロスコープチャートぐるり360度を30度ずつに切り分けて、それぞれに星座の名前をあてがったもの。
◯緑色で示した1〜12までの数字。これはハウス。東の地平線を1ハウスの始まりとし、西の地平線を7ハウスの始まり、空の1番高い部分、南中点を10ハウスの始まりに定めて12個に切り分けた部屋。といったところでしょうか。
夜明け頃に生まれた子のチャートでは、東の地平線のそばに太陽があります。そして、正午ごろに生まれた子のチャートでは、天頂(南中点)を示す場所付近に太陽があります。
そんな感じで時間帯によって大きくズレるのがこのハウスなので、出生時のホロスコープチャートを出す上で出生時間がわからない場合は、基本的にハウスを読みません。(時間がわからない場合でもハウスを読むやり方もあるんだけど、それはまた別の機会に・・・・)
これから詳しく説明していきますが、占星術は
10個の天体がキャラクター(登場人物)
12星座がまとっている雰囲気や衣装、キャラ設定
12のハウスが実際に活動している現場(ステージ)
を示していると捉えると非常にわかりやすい!
で、赤や青などの線で天体同士が結ばれている。これをアスペクトと呼んでます。
アスペクトは登場人物同士の関係性ですね。
天体が示すのは、あなたの中にいる10人のキャラクター
占星術の主役は惑星(天体)です。
私たち1人1人のなかに、10人の個性豊かなキャラクター(天体)が存在しています。
私たちの本体は、太陽と月が示しています。
月は生まれたときから死ぬまでずっと変わらない自分自身の本質。基本スペックそのもの。
そして太陽は大人になって社会の中で活動していく上で、自分から創り上げる顔。
そして、あらゆる場面で自分の中のキャラクターがひょっこり出てくる。
たとえば、女性が恋をするときは、愛と美をつかさどるヴィーナス、金星ちゃんが出てくる。
もしあなたの金星が、衝動と活動の星座、牡羊座に位置していたら。
とにかく何も考えず全力アプローチ!!!ガンガン攻めてくぞ!みたいな金星力が恋愛において発揮されるというわけ。恋をするととにかくアツい、暴走しがちな人ですね、と読めるのだ。
また、金星は自分が楽しいことしてる時、ワクワクする時のエネルギーもつかさどってますよ。
ちなみに、男性の恋愛におけるエネルギーは火星がつかさどると言われてます。
果たして、どんな場面でどんなキャラ(天体)のエネルギーが発動するのか!?
それは以下の表をご参考に↓
- 月:生まれてから死ぬまでずっと変わらない素顔。基本スペック。無意識。
- 太陽:大人になって社会に出てから創り上げる顔。基本行動。
- 水星:誰かに何かを伝える時や、何かを学ぶ時に発動される情報とコミュニケーションのエネルギー。
- 金星:ワクワクする時、恋愛する時に発動される愛と美とワクワクのエネルギー。
- 火星:何かの活動(仕事)に能動的に取り組むときや、怒りを感じる時のエネルギー。
- 木星:幸運や幸せ、拡大と成長のエネルギー。
- 土星:課題や責任感、自分自身の課題を示すエネルギー。
- 天王星:変化や革命を起こすためのエネルギー
- 海王星:精神世界や霊的なものをつかさどるエネルギー
- 冥王星:死後の世界、抗うことのできない運命をつかさどる破壊と再生のエネルギー
天王星、海王星、冥王星は動きが遅い天体なので、同じ世代の人々はほぼ同じ星座に位置してます。個人個人で発動するというよりは、世代を通して表出されるエネルギー(キャラクター)と言えますね。
12星座が示すのは、あなたのキャラ設定
続いて、12星座。占星術では宇宙(そら)に浮かぶ星座と区別するために、「サイン」と呼ぶこともございます。
12星座はズバリ、それぞれのキャラ(天体)のムードや雰囲気を決める要素。
つまりそれぞれのキャラがまとう衣装やキャラ設定のようなもの。
映画でも、登場人物それぞれのキャラ設定があるじゃないですか。
主人公は真面目キャラ。ライバルは頭脳明晰キャラ。恋愛相手は派手キャラ。みたいな。
その「キャラ設定」が、12星座によって決まってるんですね。
☆12星座別のキャラ設定☆
- 牡羊座:衝動的 せっかち ケンカっぱやい 考える前に動いてる スピーディー
- 牡牛座:感覚的 美的 マイペース 頑固 五感を喜ばせる
- 双子座:情報通 好奇心 言葉を扱う 多方面の活動 飽きっぽさ
- 蟹座:感情的 コンサバティブ 安心感を得る 家庭的 情緒的 優しさと厳しさ
- 獅子座:王様 ジャイアン 自己アピール 目立ちたい 無邪気
- 乙女座:節度 奉仕 観察眼 きめ細やかさ 鋭い感覚
- 天秤座:社交性 対話好き 質問したがり 完璧主義 洗練 おしゃれ
- 蠍座:妖艶 秘めた魅力 オカルト 極端な性質 ブラックユーモア
- 射手座:大らか 大胆 冒険家 自由 普遍的価値と真理の追求
- 山羊座:実行力 コツコツ 誠実 野心家 ルーティーン 古風
- 水瓶座:エキセントリック 反逆心 クール 正義感 テクノロジー
- 魚座:夢想家 精神世界 変幻 器が大きい 不思議 霊性
例えば。よく火星は自分の中に存在する戦士、ファイターだ、と言われるんだけど。
乙女座の火星だったら冷静に敵を分析し、観察し、そして着実にじわじわ仕留めていくような戦士。
一方、獅子座の火星だったらまさにジャイアン!オレ様がルールや。目立ってなんぼじゃ。ガンガン真正面から攻め込んだるでーーーー!みたいな戦士になる。
自分が何かと戦う時に、どんな戦士が発動するかは火星を見てみるとわかりやすいですね。
12のハウスが示すのは、あなたが活動するステージ
そして、12ハウスが示すのは、ズバリ舞台設定。
ちびまる子ちゃんだったら昭和の時代の静岡県の清水市の小学校やさくら家が舞台になる。
一方、銀河鉄道999だったら、宇宙の星たちをめぐる999号が舞台になる。
自分の中に存在するキャラクターたちが、どんな場所で活動するのか?それを決めるのが12ハウスなのです。
☆12ハウス別の舞台☆
- 1ハウス:個人的な動機 アイデンティティ
- 2ハウス:お金 物質的な富 所有 所得 金運
- 3ハウス:学び コミュニケーション 知識の獲得 情報と発信
- 4ハウス:家庭 プライベート 家族
- 5ハウス:レジャー 自己表現 自己主張 王国 クリエイティブ
- 6ハウス:依頼を請け負う 労働 役割
- 7ハウス:人間関係 パートナーシップ
- 8ハウス:財産 信頼関係 秘められた関係や物事 性
- 9ハウス:旅行 海外 出版 哲学 宗教 高等教育
- 10ハウス:社会 仕事 ビジネス キャリア
- 11ハウス:自由 革命 テクノロジー 同志 高次の目標
- 12ハウス:夢 妄想 空想 精神世界 ヒーリング
天体がキャラ、星座はキャラ設定や衣装、そしてハウスは舞台。
ここまで説明してきた占星術の仕組みや基本的な考え方を使って、例として安倍晋三首相のホロスコープチャートを見させていただきましょう。
生まれつきの素顔、基本スペックであるキャラの月は蟹座11ハウスに。
感情的で家庭的で情緒的、そして優しさと厳しさといった雰囲気をまとい、自由と革命、高次の目標を追い求める舞台で活動しているのが基本的な安倍晋三さん。
政党とか内閣とか、日本は特に家族的な馴れ合いムードが漂ってますしね。
そんな安倍さんを中心とする家族が一丸となってより良い未来を創り上げるために活動している。
おぉ何だかちゃんと当たってるんじゃないですか?
安倍晋三さんの中に存在する戦士、火星は山羊座の5ハウスに。
実行力と誠実さと野心を秘めた戦士は、自己主張と自己表現の王国で戦っているのですよ。
安倍さんが何かと戦うときや、能動的に取り組む活動においてこの火星キャラが発動するという事ですねー。
キャラ同士の関係性、アスペクトとは!?
天体、12星座、12ハウス。そしてもうひとつホロスコープチャートを読む上で大切なのが、「アスペクト」。
また別の記事で詳しく説明しますが、アスペクトはキャラ(天体)同士の関係性を示すものです。
ホロスコープチャートで、個人の生まれつきの素顔(つまり本体)を示す月とほぼ同じ位置に木星が位置していたとしましょう。
これを0度のコンジャンクションのアスペクトと専門用語では呼ぶのですが。
幸運や幸せ、拡大と成長のエネルギーをつかさどるキャラ、木星が月と合わさることで、もう生まれつき自己肯定感の高い子になる可能性が極めて高い!(ほかの星の配置にもよるけど)と言えるのです。
一方、逆に月が義務と制限のキャラ、土星と合わさっていたら。
生まれながらに大リーグボール養成ギプスを父親(土星)から課せられているかわいそうな自分(月)、になる確率が高い。
自分に対してとにかく厳しい。ちょっとやそっとじゃ納得ができず自分を常に追い込んでしまうような星飛雄馬のようなキャラになる。
そんなイメージができるのがアスペクトという星同士の関わり合いなのです。
まとめ
私たちひとりひとりの中に、人生におけるあらゆる場面で飛び出てくるキャラが住んでいます。
今回ご紹介した12星座=キャラ設定と、12ハウス=舞台設定を頭に入れておくと、
まるで1枚の絵画をみているかのように、ホロスコープチャートをパッと見ただけでホロスコープチャート全体の雰囲気がわかるようになってきますよ。
星たちが表現している言葉を自分なりの言葉に置き換えて、翻訳し、表現する。
それが占星術というものなのです。
参考書籍:「占星術とユング心理学 (ユング心理学研究 第10巻)」